第24回: トレーニングを続ける効果、大事な変化は体よりもセルフイメージ! [講座]
私自身がこれまでトレーニングを長年続けているのも、また続けてこれたのも、自分の中での前向きなテンションを維持するということが一番の理由です。
とにかく何をするにしても、気持ちの面でのモチベーションの強さがないと前に進めません。
既に筋力トレーニングやランニング等の運動が習慣になっている人(もしくは半年以上続いている人)にはきっとわかっていただけると思います。もっと言えば、『トレーニングはセルフイメージを強化するための手段』と言っても過言ではありません。
ですから、短期的なダイエットを目的にして体重や体脂肪の減少という「結果」だけにこだわるよりも、もっと長期的な視点で「プロセス」に目を向けて欲しいと思います。
気持ちよくトレーニングをこなせた後の爽快感や充実感は何ものにも代えられません。
例えば、マラソンランナーがゴールした後の顔を見ればよくわかりますよね。42.195Kmの道のりは耐え難いほど辛いはずですが、ゴールに辿り着いた後には選手達しか味わえない素晴らしい世界が待っているのでしょう。
「辛かった~、でもまた頑張ろう!!」と。
このように、結果よりもプロセスやチャレンジすること自体に意味を見出してトレーニングを行うことが行動を長続きさせる秘訣です。
そして、私たちの社会生活全体に対するメリットの大きさを比較しても、体と心(セルフイメージ)では圧倒的に後者のメリットの方が大きいはず。セルフイメージの強さは自分自身にとって、感情、思考、判断、行動の源になりますから、これを高めれば高めた分だけ自分にとってのプラスに。
積極的な行動が伴うことで仕事やプライベートなど全てが自然と良いほうへ回りはじめます。
私がかれこれ10年以上前から、「引き算のダイエットではなく、これからは足し算のボディデザインを!」と訴え続けてきた理由がまさにこれなのです。
ぜひ皆さんも、体の変化だけでなく、セルフイメージの変化量にも意識を向けてみてください!
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第23回: ちょっとの工夫で体感アップ! 運動効果を最大限に高める秘訣 [講座]
健康や体型維持には、地道な努力の積み重ねが大切。ですが、公私に忙しい現代社会、効率よくトレーニングすることも同時に追い求めたいところですよね。トレーニングに充てられる時間が限られているのならば、こなせる種目の量にも限界があります。しかし運動効率を決めるのは、なにも取り組む種目の数だけに限りません。トレーニングの動作中、動作と動作の合間、そしてトレーニング後。それぞれのタイミングでちょっとのことを意識するだけで結果が変わるポイントをご紹介しましょう。
皆さんはトレーニング実施の最中、どのように呼吸をしていますか? ありがちなのが、力む瞬間に息を止めてしまうこと。しかしこれは体に負担をかけるばかりか、踏ん張りすぎて貧血を起こし、その後のトレーニングに悪影響を与える可能性があります。
筋トレ中は、鍛えている筋肉に多くの血流が流れ込み、運動に必要な酸素を運んでいます。すると鍛えている部分以外への血流は減少。この状態でさらに呼吸を止めると、脳への血流が減りすぎて、めまいや頭痛といった反応を招くことになるのです。また、脳に限らず、心臓にも負担がかかると言われています。
筋トレ中の正しい呼吸とは、筋肉に力を入れる時に吐き、戻る時に吸う。これが基本です。筋肉は力を入れる(収縮する)時だけでなく、戻す(弛緩する)時こそ、よりゆっくりと動作して意識を集中させることが重要です。その際、ゆっくりと息を吸い酸素をたくさん取り込むことで、筋肉に栄養を与え、成長を促すのです。
「しっかり呼吸しなきゃ!」と考えだすと、今度は肝心のトレーニングに集中できない……。中にはそんな一本気な人もいることでしょう。その場合は、力を入れる時に大きな声で回数を数えるのがオススメ。「イチ!」「ニイ!」「サン!」と声に出してカウントしていれば、自然に息を吐くことができます。家族などがいて大きな声を出すのが恥ずかしい……という人は、“エアカウント”でもかまいません。要は息を吐ききってさえいれば、あとは自然に息を吸い込むことができます。
決められたプログラムを、指定の回数通りにただ動かす……。毎日やっていると慣れてきて、飽きもすれば、注意力散漫なトレーニングになってしまうものです。しかし、やっつけ作業のように行ったトレーニングでは、狙った筋肉へ効率よく負荷を与えることができません。
スポーツトレーニングの基本原則に「意識性の法則」があります。鍛えている部位を具体的に意識しながらトレーニングを行うと、意識しない時よりも高い効果が得られるというもの。精神論ではなく、実際に効果が高まることは、多くのスポーツ選手が実感していることでも証明されています。
理想の体型を健康的にデザインするために大切なのは、どこの筋肉をどのように発達させたいのか、目標をもって動作のひとつひとつを行うこと。腹筋を鍛えてお腹を凹ませたいのであれば、動作中はターゲットとしているお腹の筋肉に意識を集中させます。繰り返し意識することで、自分の中での目標も明確になり、フォームも自然と正しいものへと矯正されていきます。逆に注意力散漫なまま筋トレをすると、余計な反動や勢いを使ったりと、ほかの箇所を補助的に使ってしまいがちですし、思わぬ方向に力が入ってケガをすることだってあるのです。
とはいえ人間ですから今日はなかなかうまく集中できない、そんな日だってあるでしょう。そんな時は鍛える前に筋肉を実際にさわって刺激を与えた上でトレーニングを行う、鍛える筋肉を「この筋肉」と目で見ながらトレーニングを行う、3Dの筋肉図をイメージしながら俯瞰から自分の体を見ているような気持ちで鍛える、などなど、視点を変えての発想が、意識を高めるのに有効です。
ぜひ参考にしてみてください!
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大人女子のための『続く筋トレ』
トレーニングによるボディマネジメントの第一の鍵は、「続けられていること」自体を大きな成果として捉えること。なぜなら、正しいインプットさえしていれば、マイペースでも結果はあとから自然についてくるからです。
本書では、普段から多くの方をオンラインで応援指導している中から、ポイントとなるエッセンスを抽出してわかりやすくまとめました。
問題はどうやって続けるか?
これが本質ですよね。
今回は、”トレーニングを継続する”ということをテーマに、効果的に「トレーニングを続ける状態を作ること」を考察し、お伝えしたいと思います。
私自身にとって、筋力トレーニングはすでに日常生活の一部としてごく当たり前に組み込まれています。
最低でも週に2回は必ず70分程度のトレーニングを行なっています。
トレーナーだから当たり前でしょ、と思われるかもしれませんが、トレーニング自体は私にとっても楽しいものではありません。時間もかかるし、実施中は身体への負担もかかるとてもめんどくさいものなのです。
では、どうやってそのように習慣化させるか?ということですが、私は自分自身を、「トレーニングに自然と没頭してしまう状態」にすることがポイントだと考えています。
人間は本当に好きなことをやっていると、時間の感覚が無くなり、時には食事や寝ることさえも忘れてしまうことがあります。
たとえば、ロールプレイング系のTVゲームなどがそうかもしれませんし、大好きな作家の本を読んだり、はまっているドラマなども考えられますね。
人によっては、パチンコや競馬などのギャンブルにもそういうものを感じるのかもしれません。
私は博才も無いですしゲームは苦手なたちなので、それらはやらないのですが。
自分の経験的にトレーニング以外に思いつく(&思い出す)のは、魚釣りやゴルフ練習です。
また、特に子供の頃のプラモデルづくりには夢中になりました。 いつもご飯くらいゆっくりと食べなさい、と親に注意されていた気がします。 綺麗に組み上げるのは面倒ですし、難しいのですが、組立説明書通りに、順序を守って一つ一つ組上げていくと誰でも必ず見本どおりの立体モデルを完成できます。
そう、がんばってやれば最後は必ず成功が待っています。しかも、やればやるだけ早くその完成形を拝めます。
だから、一心不乱に作業を続けますし、途中でやめる人はまずいません。
この、「最後には必ず完成するということ」がミソですね。
プラモデルっていうもの自体が良く考えられていると思います。
このように、「人を夢中にさせるもの」にはある共通点があります。
それは、大まかに以下の4つ。
1、その行為自体が、気持ちよい気分にさせてくれること (ドキドキ・ワクワク感なども含まれます)
2、やればやるほど効果や完成度が高まるということが保証されているもの
3、大きな見返りが期待できること(モノやお金、名声、地位、権力など)
4、自分らしさを活かせるもの(自己実現や自己表現)
皆さんがもしもこれまでに何かに没頭したということがあるなら、きっとこの中のどれかに当てはまると思います。
トレーニングの継続のように、”チャレンジする”という要素が含まれるものだと、きっと2番目ですよね? 人間が情熱を持ってチャレンジし続けられることであるかどうか、ということに関しては、この「結果が保証されていると思えているか」が心理的にとても大切です。
頂上まで行くのに何日かかるかもわからないような高い山には普通の人は登ろうとしませんよね。 それと同じです。
結果が出始めれば、上記2番目の理由に加えて、4番目の理由も合わさってきます。
そうなれば自ずとトレーニングに没頭でき、全く苦にならなくなります。
というように、日々の生活の中で、上手にトレーニング(運動)習慣を獲得していくためには、根性や気合だけでなく、ちょっとした知識や知恵であったり、客観的に自分自分の行動心理をコントロールする術を持っているかどうかはとても大事なポイントになってきます。
ぜひ、成功への確信を作って、トレーニングに全力投球してみてください。カラダは行動を裏切りません。
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第22回: トレーニング実施を定着させるために気をつけるべき点 [講座]
「健康は一日にして成らず。」
日頃の生活習慣や不摂生によってゆるんでしまった身体を元に戻す食事制限やダイエット然り、また、健康的に鍛えられた身体や体力を養うトレーニングやエクササイズ然りです。しかしこれが上手く続かない…という想いをお持ちの方も少なくないと思います。多くの方が一度や二度、挫折した経験をお持ちのことでしょう。しかし、こういった地道な努力を続けるには、強い意志あるのみ! ……なのでしょうか?
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<森 俊憲>

第21回: 運動習慣をつけるには、まずはポジティブ思考を習慣化 [講座]
もう皆さんは2017年に目指したい自己イメージを考えていらっしゃますでしょうか?
そう、この一年で実現したい行動目標や予定、そしてその成果としてのご自身の健康やボディデザインに関することです。この時期にできるだけ詳細に頭の中でビジュアライズすることが大切で、人間学的にも、その年に本当に自分が何をすべきかをしっかり考えることはとても有効とのこと。気持ちを切り替えて、新しいものに挑戦するには最高のタイミングだと思います。
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<森 俊憲>

第20回: 年末にも失速しないトレーニングの取り組み方とは? [講座]


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<森 俊憲>

10月開催: ピンクリボン「スマイルウォーク」で一緒に歩きましょう! [お知らせ]
<森 俊憲>

第19回: 手軽な「体幹トレ」で暑い夏を乗り越えよう! [講座]
窓の外の木々から聞こえる蝉の声、もはや完全に騒音レベルに達しています。
この時期が一年で最も夏らしいのかもしれません。
真夏の日差しに負けないように、背すじを伸ばして体幹に力を込めて過ごしていきましょう!
さて、このところ、私がオンラインサポートさせていただいている「ソネット パーソナルトレーニング」や「ボディクエスト ボディデザインプログラム」受講生の皆さんから朗報が日々入ってきています。
といいますのも、夏を前に頑張っていたメンバーの皆さんから続々と良い経過報告をいただいているのです。やっぱり皆さん、夏を一つのターゲットにして頑張っていらしたようですね。
中には、当初の目標としていた体重を難なくクリアして、さらに現在は目標を体脂肪のコントロールに変えて、見る見るうちに本物の筋肉のメリハリが出てきたという強者も登場!


※詳細はこちらのページに掲載されています
本人はもちろん充実感バリバリな感じで、活き活きとしていらっしゃるのですが、これらは、私にとっても期待以上の成果であり、自分のことのように嬉しく思います。
理想のボディデザインを実現していく人に共通することとしては、素直にアドバイスに耳を傾けて、まずは実行してみる、そして、少しずつ手ごたえを感じながら、徐々に自信を深めていって自分のカラダと向き合っていくという、「試行錯誤のプロセスを楽しむ」ことができているように思います。
なんだかんだいってこれが一番の近道なんですね。
ということで、夏はいわばボディデザイン本番の季節ですから、普段ご自身でボディメイクやダイエットに挑戦していらっしゃる皆さんには、いつも以上に頑張って!!と発破をかけたいところなのですが、それは酷と言うものかもしれません。
(なんと言っても自分自身も少々夏バテ気味ということでやられてます…)
かといって、暑いからという理由でトレーニングを全くやらないというのは問題です。
そこで、そんな時の効果的なワークアウト法をお教えしましょう。
それは、最低限、体幹のワークアウトだけでもやること。
(いつもよりも短時間、回数も少しでOKです)

なぜ体幹の筋肉にこだわるのかと言うと、
体幹の筋肉こそが最も効率よく脂肪を燃焼してくれる、大事な組織だからです。
驚くことに、筋肉と体脂肪でその代謝量を比較すると、筋肉の方が100倍以上も代謝が活発なのです。
だから、体幹の筋肉がしっかりとついている人は、たとえ、ソファーの上でゴロゴロしていている間も、ベッドで寝ている間でも、無意識のうちに脂肪を燃焼していることになります。大げさでなく、本当の話です。もうお気づきかもしれませんが、これは基礎代謝量の話です。
しなやかで良質な体幹の筋肉をつけることは、ボディラインにメリハリをもたらすだけでなく、同時に太りにくい体質にもしてくれるということですね。(筋肉量と基礎代謝量は比例します)
もちろん夏以外でも、多少運動不足になったり食べ過ぎたりしても筋肉がそのマイナス分をリカバリー(代謝)してくれますよ。
私も普段、忙しくてゆっくり時間がない時でも、たとえ数分間だけでも体幹のの運動を行ないます。
こういったちょっとした習慣の差が、ワークアウトを効果的に継続する大きなポイントになりますからね。
ぜひ覚えておいてください。
<森 俊憲>

第18回: あれこれ考えるより、やること優先。実践しながら体で感じよう! [講座]

緑の色がだんだんと濃くなり、いよいよ夏の陽射しが本格的になりつつありますね。
予想によると、今年の夏はかなり猛暑になる気配だとか…。
皆さんは薄着の季節の準備はもう万端でしょうか? 普段からこの時期になると様々なメディアにて「夏に間に合わせるためのボディメイク企画」に協力してほしいと言ったお声がかかり、色々なところで効果的なトレーニング方法のレクチャーなどをさせていただいています。
もちろん、健康的にカッコよくシェイプアップするためには、食事制限でげっそりと痩せるよりも、筋力トレーニングが有効です。
今年こそは!と感じていらっしゃる方も少なくないと思いますが、ここで一つ実践的なアドバイスをさせていただきたいと思います。
まずは、基本的な心構えですが、
『悩むより、やること優先。実践しながら体で考える。』
ということです。
トレーニングを本格的に始めてみたいと思い立ったら、あれこれ考えずにまずは動きましょう。
実際に動いてみると、できると思ってたことができなかったり、今現在の自分の本当の体力レベルやポテンシャルが分かります。
始める前から効果のことばかり考えるのはナンセンス。
初めはうまくいかなくても、正しいフォームを意識しながら実践することで、自然と身体が慣れ筋肉もつき、コツがつかめるようになります。
人はそれぞれ体が違うので、同じ運動をしても効果もバラバラ。他人を気にする必要もありません。本当に効率的なトレーニングは自分自身で実践しないと作れないのです。
そして、頑張った見返り【効果】については、体重だけではなく、自分の見た目や感覚チェックしましょう。
筋肉がついてくると、身体のアウトラインにハリが出てきます。
代謝が上がって脂肪が減ると、たるみ、皮下脂肪もなくなって、よりメリハリが効いてきます。
スリムなズボンを穿いたときのスッキリとした心地よさ、シャツの胸のあたりの充実感、これらは数字だけでは計れないものですよね。
私自身、自分の二の腕をつかんで「減った」「増えた」と感じられるくらい意識しています。そういった、感覚、触覚に基づいた自分の目安を作るようにしましょう。
ぜひやった分だけ見返りがあると確信をもってチャレンジしてみてください!!
<森 俊憲>
第17回: 仕事の疲れとトレーニングの疲れは別物 [講座]

運動の習慣はつけたいけど、「仕事で疲れた後に、筋トレなんてムリ」、「明日の仕事に差し支えるから、トレーニングで体力を使いたくない」と考えていませんか?
特にビジネスパーソンに多い意見(言い訳?)です。
トレーナーとして、また経験者としてはっきりと言えるのは、仕事と筋トレの疲れはまったく違うということです。
「仕事で疲れた」という場合、肉体疲労というよりは、「なんとなく倦怠感がある」「体がこわばって石のように重い」という人が多いのではないでしょうか。
前者の場合、実際に駆けずり回って疲れたというよりは、むしろ職場や取引先での精神的な緊張状態や人間関係のストレスから来ているのが一般的です。こうした精神的な疲れは、内面より先に体に症状として現れる場合が多いですから、精神的なストレスと気づかず「疲れた。もう動きたくない」となってしまうのです。
また、「体がこわばって疲れる」という場合は、おそらく長時間のデスクワークで同じ姿勢を続けている人が多いと思います。血行が悪くなることで老廃物がスムーズに排出されず、体の中に溜まってしまう。その結果、体がこわばり腰痛や肩こりなどを引き起こすのです。
こうした体の疲れと心の疲れを取るためにも、トレーニングの習慣化はとても大切です。
「疲れたら休めばいい」のではなく、「疲れたからこそ運動でリフレッシュを図ろう」というアプローチ。つまり「アクティブレスト」の発想です。
日本語で「積極的休養」と訳されているアクティブレストは、完全休養を取るより、あえて体を積極的に動かして、能動的に疲労回復を図ろうという心身のリフレッシュ法。特にスポーツの現場では、積極的に取り入れられています。
かつては、運動後には体を動かさず、じっと体力や筋力の回復を待つことが一般的でしたが、今では、軽い運動で全身の血行を促進し、筋肉に溜まった乳酸を取り除いてやることのほうが、次回のパフォーマンス向上につながると考えられています。
実際に、マラソンランナーがゴールを駆け抜けた後も軽いジョギングやストレッチで体をほぐしたり、サッカーなどのチームスポーツでも試合翌日にチーム全員が集まって、動きの大きい動的ストレッチを行ったり、遊び感覚で他のスポーツに取り組んだりするシーンも、けっこう見かけますよね。
このアクティブレストとは、ビジネスパーソンにも有効です。
仕事の後にトレーニングを行い、全身の血行を促すことで、体に溜まった老廃物を取り除くことができますし、脳や体に酸素が行きわたれば、固まった体をほぐすこともできます。
また、トレーニングはドーパミンやセロトニンなどの、いわゆる「脳内麻薬」といわれる神経伝達物質を分泌しますから、精神的なストレスの緩和にも効果大。つまり、心の疲れも取り除き、心身ともにリフレッシュしてくれるのです。
こうした物理的な作用や効能を知る前から、私は体験的にトレーニングが仕事に与えるメリットを感じていました。
サラリーマン時代(30歳を過ぎてから)の私は週に2回は“朝トレ”、つまり出勤前にジムへ行き、ヘトヘトになるまでトレーニングしていました。でも、疲れて仕事が手につかないということなど一度もありません。むしろ、寝ぼけて出勤してくる同僚の横で、私はすでにはひと通り運動終えてスッキリしている。だから、仕事の効率も違うわけです。
「仕事前の運動なんて疲れるからやらない」。やる前は、それが自分でも当たり前だと思っていましたが、試しにやってみたら、こんなに気持ちよいものはないし、日々の体調の管理もできてしまう。
そう考えた時に、「これは差がつけられるな」と思ったわけです。何しろ、そのことに気づいていない人がほとんどですから、気づいた自分は本当にラッキーだと思いました。
もし、仕事の後にトレーニングができそうにないと思っている人がいたら、ぜひ“朝トレ”に挑戦してみて下さい。
トレーニングで体に刺激を与えれば、交感神経も刺激されるので代謝もよくなりますし、何より朝の時間は誰にも邪魔されませんよね。
朝起きて筋トレをするのが苦痛なら、最初は自宅の周りを歩くことから始めてもよいでしょう。まず、「起きる→動く」という習慣をこれまでの生活リズムに組み入れ、徐々に「動く」のレベルをアップさせていけばよいのです。
仕事の後のトレーニングにしても、やってみると意外と心地よいものです。
仕事の疲れを引きずったままベッドに入っても、「ああすればよかった」とか「明日もまた同じ仕事が続くのか」など、なかなか気持ちの切り替えができないことも多いですが、トレーニングで生じた心地よい疲れは、心も体もいい意味でリセットしてくれます。同じ疲れるなら、引きずる疲れではなく、1日のけじめをつける疲れでありたいものですよね。
<森 俊憲>